倉庫・工場などでビニールシートを使用する場合、消防検査で不燃素材を指定されることがあります。危険物などを取り扱う場所や引火しやすい場所など、防炎素材では不可となった際は、不燃素材でビニールカーテンなどを製作する必要があります。不燃素材は、主に業務用として利用され、通路や出入口の間仕切りのほか、ビニールカバー等で使用されています。採光性・視認性を重視される場合は透明ビニールシートを、コストや使い勝手を重視する場合はターポリン素材を選ぶなど、不燃素材の特徴や設置場所に合わせてシートをお選びください。
ビニプロでは、不燃素材の間仕切りシートやビニールカーテンの製作・加工をオーダーメイドで1枚・1点から承っております。生地の種類やサイズ、加工方法をご指定いただくことで、オリジナルの不燃ビニールカーテン・シートを製作することができます。
不燃ビニールシートの特徴
防炎素材の生地は、火元を近づけると生地自体は燃えてしまいますが、火元を離すと自己消化性によって、それ以上ビニール自体は燃え上がらないといった特徴があります。一方不燃素材は、表面の塩化ビニールや樹脂は燃えてしまいますが、ガラス基布やガラスクロスを使用しているため、中の基布(繊維)までは燃えぬけません。ビニールシートの原型を保つことができるため、延焼しづらいといった特徴があります。
不燃シートはガラス基布が使用されているため、防炎素材と比べてシートが固いといった特徴があります。間口が大きなビニールカーテンやシートカーテンとして不燃素材を使用する場合、生地が硬く束ねづらい、収納時にかさばってしまうという点があります。
特に透明ビニールの場合は畳むことも難しく、畳んだとしても折れ線(チョークライン)が入ってしまい消えないといったことが起こるため、防炎に比べて使い勝手は劣ってしまいます。不燃素材でビニールカーテンを製作する場合は、完全な透明ビニールよりも、比較的柔軟性のある、色がついた不燃シートや不燃ターポリンなどをおすすめします。
さらに、不燃素材は防炎より比較的費用が高くなりますので、不燃素材を指定された環境以外では、防炎シートの使用もご検討ください。
不燃ビニールシートの利用シーン
消防法によって不燃素材を指定されている場合や、引火しやすい場所、危険物を取り扱っている場所などの近くにビニールカーテンやシートを設置するといった場合は、不燃素材を使用する必要があります。
不燃素材のビニールシートは、工場・倉庫などでは間仕切り用カーテンとして使用されるほか、ビニールカバーなどにも使用されています。静電気などにより、引火すると危険を伴う場所に設置される場合は、不燃と合わせて帯電防止の機能性のあるビニールカーテンをご利用いただいたり、屋外に設置する場合は、屋外高耐候の不燃テントシートを使用するなど、不燃のほかにある機能性との組み合わせでビニールシートをお選びください。
不燃ビニールシート設置に関する注意点
消防法では、工場や倉庫のほか、商業施設、病院などの防炎防火対象物において、ビニールカーテンやビニールシートを設置する場合、防炎・不燃素材の使用を定めています。
消防法の基準をクリアしているかどうかは、ビニプロでは下記を目安としています。
- 防炎・不燃素材を使用しているか
- スプリンクラーや火災報知器などに影響していないか
- 天井面までビニールカーテンを被せているか
- ビニールカーテンで可燃物などを囲っているか
非防炎の素材は、防炎防火対象物での使用は非推奨です。一度火が付くと一気に燃え広がるため、延焼リスクが非常に高く、業務用での使用は注意が必要となり、消防署などからの指摘事項にもなります。
火災報知器やスプリンクラーが正しく動作しない場合や、天井までビニールで覆っていると、指導を受けることがあります。天井まで覆ってしまうとひとつの部屋として数えられることもあり、その場合は新たにスプリンクラーなどを設置しなければならないこともあります。
消防法ではビニールカーテンの設置に関する正確な法令は定めれられていないため、消防署や担当者によって見解は変わります。上記4項目を目安としてビニールカーテンを設置してください。