ビニールカーテンの素材と機能性について
【プロ担当の専門情報】ご購入前に知っておいていただきたい、ビニールカーテン豆知識を多数掲載しています。
ビニールカーテンの強度、耐用年数、機能などは、素材によって決定されます。ビニールカーテンの素材に関するポイントを(1)材質、(2)表面処理・加工、(3)厚みの3つに分けてご紹介します。ご使用されるカーテン選びにご活用ください。
ビニールカーテンの素材に関するポイント(1)
材質
ビニールカーテンそのものが何でできているかを指します。ビニプロで取り扱っているビニールカーテンは、基布+樹脂から構成されているものと、樹脂のみでできている商品に分かれます。
基布+樹脂から成るビニールシートは、ベースとなる基布に樹脂を貼り合わせて製造されています。
それぞれの樹脂と基布の材質と特徴をご紹介します。
樹脂
ポリ塩化ビニール(PVC)
ビニールカーテンに最もよく使用されている材質です。軽量で加工も容易、価格も安価です。耐久性や耐食性に優れ、曲げに対する強度もあり、錆びたり腐食することがないため汎用性の高い材質です。プラスチック樹脂のため燃えやすい反面、防炎剤と相性が良く、防炎剤を混ぜることで火元に接しても燃え広がりにくい素材となります。そのため防炎素材の使用が義務付けられている施設では、防炎タイプのビニールカーテンが広く用いられています。
しかしポリ塩化ビニールそのものは耐熱性や耐候性が低い素材であるため、長期間太陽光に浴びるなどすると硬貨してヒビ割れしたり、黄変してしまいます。屋外で使用するには 紫外線吸収剤入りなど耐候性を付与した製品を使用する必要があります。
ポリオレフィン
ポリオレフィンは、ポリエチレンやポリプロピレンといった素材の総称で、耐水性、耐薬品性に優れるなどの特徴があります。柔軟性もありビニールカーテンや間仕切りシートなどに使用されます。この柔軟性によってマイナス温度の環境下でも硬化しづらく、耐寒性を発揮します。防炎剤を混ぜることが難しくすべてが非防炎の素材となりますが、そのかわり可塑剤を使用しないことにより燃焼時に有害なガスなどが発生せず衛生的であるため、食品工場や薬品工場などの食品衛生法で衛生管理が定められている場所でも利用いただける製品があります。
基布
ポリエステル
ポリエステルは基布として広く一般的に使用されている素材ですが、その一番の理由は寸法安定性が高いことです。伸び縮みしやすいポリ塩化ビニール(PVC)は、ポリエステル基布と組み合わせることによって寸法の安定性を保っています。
他にも摩耗にも強くカビや湿気に強いといった、とても優秀な素材でありながら、多く流通されているので安価に手に入れることも可能です。
素材の柔軟性が高く軽いため開閉操作をするカーテンとしても取り扱いが容易です。吸湿性・吸水性がほとんどなく、速乾性に優れ、水に触れても性能や寸法にあまり変化がありません。
ただし耐熱性は高い反面、加工なしでは火に弱く火元に当たると燃えて溶けてしまいます。
ガラスクロス
ガラスの性質である耐熱性・不燃性と、繊維の柔軟性をあわせ持ったガラス繊維からつくられた生地です。
ビニプロで取り扱っている商品は、ガラスクロス基布に上記のポリ塩化ビニール(PVC)を貼り合わせていますので、両方の特性をあわせ持った素材として使用することができます。
ガラスクロスは高温下でも形状を変えることなく使用でき、火元を当て続けた場合表面のポリ塩化ビニール(PVC)が燃えても基布部分が残りますので、カーテンとして使用すれば建物内の延焼を防ぐことが可能です。加えて煙の侵入を遅らせる効果があります。
通常強度を高めるために基布を入れたビニールカーテンは透過性を損ないやすいですが、ガラスクロスは透明度が高い素材であるため、ガラスクロス基布+PVCのシートは強度と透明度を両立させることができます。※商品によって透明度は異なります。
引っ張り強度が強い素材でもありますが、引き裂け強度は弱く破けやすいといった特徴があります。また屈折に弱く折り曲げたりした場合に中のガラスクロスが折れたり傷ついたりすることによって白化することがあります。
ポリエステルと比べ質量が大きく基布無しの素材よりも固いため、可動式のカーテンとして使用する際には厚みの薄いものを選ぶなど注意が必要です。
材質別に特徴がありますので用途や使う場所に合わせてお選びください。また複数の材質を組み合わせた素材を使うことによりそれぞれの長所を生かすこともできます。
ビニールカーテンの材質は、商品ページ右上の欄でご確認いただけます。
ビニールカーテンの素材に関するポイント(2)
表面処理・加工
材質そのものの素材に加えて表面処理を施したり、原料を配合することにより様々な機能を加えることができます。ビニプロで取り扱っているビニールカーテンの代表的な表面処理・加工についてご紹介します。
防汚処理
フッ素系防汚処理
フッ素系防汚処理は、テントシート・ビニールシート生地に最も多く使用されている防汚処理です。フッ素系材質を使用したコーティングはあらゆる業界で使用されていますが、そのうちの一つであるポリフッ化ビニール(PVF)をアクリルと混ぜ合わせて表面に塗布したものです。
汚れが表面についても落ちやすくなり、シート自体に汚れが残らないビニールカーテンになります。
PVDF防汚処理
ポリフッ化ビニールよりもフッ素の含有量が多いポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用したPVDF防汚処理は、フッ素系防汚処理よりも防汚処理能力・耐候性が格段に上がった表面処理です。。紫外線での劣化も妨げるため、屋外での利用にも最適です。
しかしフッ素の層が厚いので生地が固くなってしまい、カーテンとしての用途には向かなくなることがあります。
PVDF系防汚処理
上記のポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアクリル樹脂を混ぜた防汚処理です。PVDFの高い防汚処理能力を維持しながら、フッ素の層が厚く硬くなってしまうデメリットを改善した表面処理で次世代の防汚処理として注目されています。
防炎塩化ビニール(PVC)フィルム
防炎性をもたせた塩化ビニールは燃えにくい性質を持っているため、ビニールカーテンの防炎性を高めるためにフィルムとして使用されています。万が一、火がついた場合でも自己消化性があるため、燃え広がらずに最小限にくい止めることができます。※火元に当たり続けると燃える場合があります。
シリコーン加工
シリコーンは、高い耐熱性を持ち熱が伝わりにくいため、火花受けとして使用される生地にシリコーン加工が多く使用されています。
またシリコーン加工を施すことにより、撥水性も向上します。
※耐熱温度は商品によって異なりますので商品ごとの詳細をご確認ください。
糸入り加工
高強力ポリエステル糸を使用し、樹脂で挟み込んで加工しているため、通常のビニールシートに比べて強度と耐久性が圧倒的に向上します。透明フィルムを強化することによって防炎性能を有し、防炎認可が必要な間口にも設置いただける素材が多くあります。
この他にも虫を寄せ付けない防虫加工や、付着したウイルスや菌の繁殖を低下させる抗ウイルス・抗菌加工、太陽光の力で自然に汚れを分解する光触媒加工など様々な機能を持ったビニールカーテンをご用意しております。商品ごとの機能については、商品ページ右上のアイコンでご確認いただけます。
各アイコンの詳細はビニールカーテン機能性一覧をご確認ください。
ビニールカーテンの素材に関するポイント(3)
厚み
ビニールカーテンの厚みは、強度に大きく関わります。0.3mm程度の薄手のものから0.5mmの厚手、1mm以上の超厚手まで様々です。厚いほど強度が増し屋外での利用でも耐候性を発揮しますが、重量があるためカーテンとして使用する際には操作時の重さや束ねた時にかさばるといったデメリットもあるため、用途に合わせてお選びください。
ビニールカーテンの厚みは、商品ページ右上の厚み欄でご確認いただけます。
ビニールカーテンにはそれぞれに特徴がありますので、ご使用の環境や用途に合わせてお選びください。
ご購入の商品についてお悩みの方は、ビニールカーテンの選び方についてをご覧ください。
製品によって性能が様々ですので、ぜひシートの一覧ページをご覧ください。
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