作業者の安全と健康を守る!溶接作業の安全対策を解説
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溶接作業は製造業や建設業において欠かせない重要な工程ですが、同時に多くの危険を伴う作業です。高温、有害な光線、火花、そして重量物の取り扱いなど、リスクは多岐にわたります。
しかし、適切な安全対策を講じることでリスクを大幅に軽減し、作業者の安全を確保できます。
本記事では、工場の経営者や責任者の皆様に向けて、溶接作業における安全対策の重要性と具体的な方法を紹介します。
溶接作業の安全性向上は、単に事故防止だけでなく、従業員の健康維持や職場環境の改善にもつながります。一緒に安全で効率的な溶接作業環境を目指しましょう。
- この豆知識の目次
- 溶接作業におけるリスク
- 溶接機へのはさまれ・巻き込まれ
- 高所からの転落
- 溶接ヒュームが原因によるじん肺
- 溶接棒による感電
- 作業中の火傷や火災
- 溶接の光による視力低下や障害
- 溶接作業に必要な保護具
- ヘルメット
- 防火頭巾
- 溶接用保護面
- 遮光めがねト
- 保護めがね
- 呼吸用保護具
- 手袋
- 安全靴
- 足カバー
- 溶接用作業服
- 溶接作業を行うためのチェックポイント
- 作業者以外の保護方法
- 溶接遮光用ビニールカーテン
- スパッタシート
- 溶接作業の安全対策に関するまとめ
溶接作業におけるリスク
溶接作業には様々な危険が潜んでいます。主なリスクとしては、以下のとおりです。
- 溶接機へのはさまれ・巻き込まれ
- 高所からの転落
- 溶接ヒュームが原因によるじん肺
- 溶接棒による感電
- 作業中の火傷や火災
- 溶接の光による視力低下や障害
それぞれのリスクを十分に理解し、適切な対策を講じることが、安全な溶接作業環境を構築する上で不可欠です。ここでは、具体的なリスクと対策について解説していきます。
溶接機へのはさまれ・巻き込まれ
溶接作業中、最も注意すべきリスクの一つが溶接機へのはさまれや巻き込まれです。不注意や確認不足により、指が溶接機の可動部分にはさまれたり、作業用手袋が巻き込まれたりする事故が発生しています。
これらの事故は、一瞬の油断から重大な怪我につながる可能性があります。
対策として、まず作業前の機器点検と安全確認を徹底することが重要です。また、作業者への安全教育を定期的に実施し、危険箇所や正しい操作方法を周知させましょう。さらに、溶接機に安全カバーや緊急停止装置を設置するなど、設備面での改善も効果的です。
高所からの転落
溶接作業では、建設現場の足場や脚立、はしごを使用した高所作業が頻繁に行われます。高所での作業中に足を踏み外したり、バランスを崩したりすることで、深刻な転落事故が発生する危険性があります。
高所からの落下は、重大な怪我や最悪の場合、死亡事故につながる可能性があるため、細心の注意が必要です。
事故防止のためには、まず適切な足場の設置と定期的な点検が不可欠です。作業前には必ず足場の安全性を確認し、不安定な箇所は速やかに修繕しましょう。また、作業者には安全帯の正しい使用方法を徹底指導し、確実に着用させることが重要です。
溶接ヒュームが原因によるじん肺
アーク溶接作業中に発生する溶接ヒュームは、作業者の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。微細な金属粒子を含む煙霧を長期間吸入し続けると、じん肺と呼ばれる重篤な肺疾患を引き起こすリスクが高まります。
じん肺は進行性で一度発症すると治療が困難であり、作業者の生活の質を著しく低下させる病気です。
溶接ヒュームによる危険性を軽減するためには、まず作業場所の換気を徹底することが重要です。局所排気装置の設置や、十分な通気性を確保することで、ヒュームの濃度を下げられます。
また、作業者には適切な呼吸用保護具の着用を義務付け、正しい使用方法を指導しましょう。定期的な健康診断の実施も、早期発見・早期対応のために不可欠です。
溶接棒による感電
溶接作業における重大なリスクの一つが、溶接棒による感電事故です。溶接棒は高電流が流れる導体であり、素手で触れると深刻な感電事故を引き起こす可能性があります。特に、湿気の多い環境や汗で濡れた状態での作業は、感電のリスクが大幅に高まるといえます。
感電事故を防ぐためには、まず適切な絶縁手袋の着用を徹底することが不可欠です。また、作業場所の乾燥状態を保ち、水たまりや濡れた床面での作業を避けるよう注意を払いましょう。
溶接機器の定期的な点検と保守も重要で、特に電源ケーブルや接続部分の絶縁状態を確認することが大切です。
作業中の火傷や火災
溶接作業では、高温の金属部分や飛散する火花による火傷のリスクが常に存在します。不注意で高温部に触れたり、保護具の不備により火花が肌に当たったりすることで、重度の火傷を負うかもしれません。さらに、周囲の可燃物に火花が飛び散ることで火災が発生するリスクも高く、作業場全体の安全を脅かす恐れがあります。
火傷や火災のリスクを軽減するためには、適切な保護具(耐熱手袋、作業服、安全靴など)の着用が重要です。また、作業場所の整理整頓を心がけ、可燃物を作業エリアから遠ざけることも必須です。
溶接の光による視力低下や障害
溶接作業中に発生する強烈な光は、作業者の視力に重大な影響を与える可能性があります。特に、アーク溶接時に放出される紫外線や赤外線は、裸眼で直接見ると角膜炎や網膜炎などの眼疾患を引き起こしかねません。最悪の場合、失明につながる可能性もあるので、適切な対策が必要です。
視力障害を防ぐためには、適切な遮光度を持つ溶接用保護面の着用が不可欠です。作業者には、保護具の重要性を十分に理解させ、常時着用を徹底させましょう。また、周囲の作業者や通行人の目も保護するため、溶接作業場所を遮蔽カーテンなどで囲むことも重要です。
溶接作業に必要な保護具
溶接作業の安全を確保するためには、適切な保護具の使用が不可欠です。保護具は、作業内容や環境に応じて適切なものを選択し、正しく着用しましょう。ここでは、溶接作業に必要な保護具をいくつか紹介します。
- ヘルメット
- 防火頭巾
- 溶接用保護面
- 遮光めがね
- 保護めがね
- 呼吸用保護具
- 手袋
- 安全靴
- 足カバー
- 溶接用作業服
ヘルメット
溶接作業におけるヘルメットは、頭部を物体の落下や衝撃から守る重要な保護具です。特に建設現場や高所作業では必須アイテムとなります。
溶接用ヘルメットは耐熱性と耐衝撃性に優れ、溶接の火花や高温の金属片からも頭部を保護します。また、溶接用保護面と併用できるタイプもあり、より包括的な頭部と顔面の保護が可能です。定期的な点検と適切なフィッティングを行い、常に最適な状態で使用しましょう。
防火頭巾
防火頭巾は、溶接作業中の火花や熱から頭部と首を保護する重要な装備です。耐熱性と難燃性に優れた素材で作られており、溶接時に飛散する火花や高温の金属片から頭皮や首筋を守ります。
また、溶接の強い光から首の後ろを保護する役割も果たしてくれます。ヘルメットや溶接用保護面と組み合わせて使用することで、より包括的な頭部保護が可能になります。
溶接用保護面
溶接用保護面は、溶接時の強烈な光線から目と顔を守る最も重要な保護具の一つです。紫外線や赤外線、可視光線を効果的に遮断して目の損傷を防ぎ、飛散する火花や金属片からも顔を保護します。
作業内容に応じて適切な遮光度を選択し、定期的に点検・清掃することが重要です。正しい着用と使用方法を徹底し、視力保護と安全作業を確保しましょう。
遮光めがね
遮光めがねは、溶接作業時の強い光から目を保護する重要な装備です。溶接用保護面と併用することで、より確実な目の保護が可能になります。特に、保護面を上げた際や周辺作業者の目の保護に効果的です。
紫外線や赤外線を遮断する特殊なレンズを使用し、様々な遮光度が用意されています。作業内容に適した遮光度を選択し、長時間の使用でも快適な装着感のものを選ぶことが重要です。
保護めがね
保護めがねは、溶接作業時に飛散する火花や金属片から目を守るための装備です。遮光めがねとは異なり、主に物理的な保護を目的としています。
耐衝撃性に優れたレンズと、側面まで覆うデザインにより、あらゆる方向からの飛散物から目を保護します。溶接以外の作業時や、溶接作業の準備・後片付け時にも着用が推奨されます。
呼吸用保護具
呼吸用保護具は、溶接作業中に発生する有害なヒュームや粉じんから呼吸器系を守る装備です。主に防じんマスクや電動ファン付き呼吸用保護具が使用されます。
防じんマスクは定期的にフィルターを交換し、電動ファン付き保護具はバッテリー残量にも注意が必要です。正しい装着方法を習得し、顔面との密着性を確保することで、効果的に有害物質の吸入を防ぎます。
手袋
溶接作業用の手袋は、高温の金属や火花、電気による危険から手を守る重要な保護具です。耐熱性、耐切創性、絶縁性に優れた素材で作られており、長時間の作業でも快適に使用できます。
作業内容に応じて、皮製、耐熱繊維製、複合材料製など、適切な素材と厚さの手袋を選択することが重要です。手首までしっかりとカバーし、隙間から火花が入らないデザインのものを使用しましょう。
安全靴
安全靴は溶接作業中の足の保護に不可欠な装備です。主な役割は、落下物からの衝撃保護、踏み抜き防止、そして溶接時の火花や高温の金属片から足を守ることです。
鋼製先芯を備え、耐熱性と耐油性に優れた素材で作られています。また、滑りにくい靴底設計により、作業現場での転倒リスクも軽減します。長時間の着用でも疲れにくい快適な履き心地のものを選び、正しいサイズと締め具合で着用することが重要です。
足カバー
足カバーは、溶接作業時に発生する火花や高温の金属片から足首や靴を保護する重要な装備です。耐熱性と耐火性に優れた素材で作られており、安全靴と併用することで、より包括的な足部の保護が可能になります。
特に、立ち姿勢での溶接作業や、火花が下方に飛散しやすい作業環境で効果を発揮します。簡単に着脱でき、作業の邪魔にならないデザインのものを選びましょう。
溶接用作業服
溶接用作業服は、火花や熱から身体全体を保護する重要な装備です。耐熱性と難燃性に優れた素材で作られており、通常の作業服よりも高い安全性を提供してくれます。
首元まで覆うデザインや、ポケットのない構造により、火花の侵入を防ぎます。また、静電気防止機能を持つものも多く、爆発性ガスのある環境での作業にも適しています。快適な着用感と動きやすさも重要なポイントです。
溶接作業を行うためのチェックポイント
溶接作業は多くの危険が伴う作業なので、作業を行う前に危険なポイントがないかチェックすることが重要です。以下に溶接作業時のチェックポイントを挙げるので、作業前にチェックしておきましょう。
- 防じんマスク、保護めがね、皮手袋などの保護具を使用しているか?
- 資格を持った人が作業しているか?
- 漏電ブレーカーに異常はないか?
- 自動電撃防止装置に異常はないか?
- 湿った場所や湿った服装で作業していないか?
- 雨のあたる場所で作業していないか?
- 使用責任者を表示しているか?
- アースの接続を行っているか?
- ケーブル接続部のテーピングの状態は良好か?
- ころがし配線は養生テープ等で整備されているか?
- アースクランプは溶接場所の近くに接続しているか?
- 溶接ホルダーの損傷はないか?
【作業別安全衛生対策のポイント】溶接作業(引用元:MHLWanzenvideo 厚生労働省運用チャンネル)
作業者以外の保護方法
溶接作業の安全性を高めるには、作業者だけでなく周囲の人々や環境も保護する必要があります。主な方法として、以下の2点が挙げられます。
- 溶接遮光用ビニールカーテン
- スパッタシート
溶接遮光用ビニールカーテンは、強い光や有害な紫外線から周囲の人々の目を守り、作業区域を明確に区分します。一方、スパッタシートは、溶接時に発生する火花や高温の金属片から周囲の設備や可燃物を保護します。ここでは、それぞれの保護方法について詳しく解説します。
溶接遮光用ビニールシート
溶接作業では、作業者自身の安全対策だけでなく、周囲の人々への配慮も重要です。溶接遮光用ビニールシートは、溶接時に発生する強い光や有害な紫外線を遮断し、作業区域外の人々の目を保護します。
透明または半透明の素材で作られており、作業の様子を観察しつつも安全を確保できます。
設置は簡単で、作業エリアを柔軟に区切ることができ、必要に応じて移動や調整も容易です。また、防炎性能を持つものも多く、火災予防にも貢献します。
溶接遮光用ビニールシートの詳細は「溶接遮光ビニールシート」をご確認ください。
スパッタシート
溶接作業中に発生する火花は、作業者だけでなく周囲の人々や設備、施設にも危険を及ぼす可能性があります。火花のリスクを軽減するための効果的な対策が、スパッタシートの使用です。
スパッタシートは軽量で持ち運びが容易であり、作業場所の状況に応じて簡単に設置できます。耐熱性と難燃性に優れた素材で作られており、溶接の火花や高温の金属片から周囲を効果的に保護してくれます。
さらに、スパッタシートは多様な用途に適用可能です。作業エリアの養生だけでなく、防護服や足カバー、腕カバー、前掛けなどの個人用保護具の作成にも使用できます。そのため、作業者の身体を直接保護することも可能になります。
スパッタシートの詳細は「溶接火花受けシート一覧」をご確認ください。
溶接作業の安全対策に関するまとめ
本記事では、溶接作業における様々なリスクと、具体的な安全対策について詳しく解説してきました。
溶接作業時は、溶接機への挟まれや感電、高所からの転落、溶接ヒュームによる健康被害、火傷や火災のリスクなど、多岐にわたる危険が存在します。
このようなリスクに対処するためには、ヘルメット、溶接用保護面、手袋、安全靴など、各部位に適した保護具の着用が重要です。また、作業者以外の安全確保のためにも、溶接遮光用ビニールシートやスパッタシートを積極的に活用しましょう。
ビニプロでは、溶接作業時の安全対策に欠かせない溶接遮光用ビニールシートを取り扱っております。高品質で信頼性の高い製品を提供し、お客様の作業現場の安全性向上に貢献いたします。
溶接遮光用ビニールシートについてご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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