工場の省エネは難しくない!低コストで簡単に行える方法を紹介
【プロ担当の専門情報】ご購入前に知っておいていただきたい、ビニールカーテン豆知識を多数掲載しています。
工場の稼働には、空調・照明・生産機器など多くの設備が必要です。しかし、昨今の光熱費の高騰でコストが気になる方も多いでしょう。
工場の省エネ対策は、環境への配慮だけでなく企業の経営にも大きなメリットをもたらします。そこで今回は高額な設備投資を必要としない、低コストで行える省エネの方法を紹介します。
- この豆知識の目次
- 工場の省エネを行うための手順
- 簡単に行える工場の省エネ対策
- 空調設備に関する省エネ
- 生産設備に関する省エネ
- 照明設備に関する省エネ
- OA機器に関する省エネ
- 衛生設備に関する省エネ
- 工場で行える節水対策
- 工場の省エネ対策に関するまとめ
工場の省エネを行うための手順
工場の省エネを行うには、適切にPDCAサイクルを回すことが重要です。
P(計画) |
現在のエネルギーの使用状況を分析し、省エネすべき部分を特定。 目標を定めて省エネ計画を立てる。 |
---|---|
D(実施) | 進捗管理を行いつつ、省エネに向けた取り組みを実施。 |
C(検証) | エネルギー使用状況の変化を計測。 効果や目標との差を分析・評価する。 |
A(見直し) | 検証結果をもとにエネルギー管理を見直す。 |
まずは経営層や工場部門の責任者が中心となって、自社の省エネ方針や具体的な目標を設計します。その後、全社をあげて省エネに取り組むための体制を整え、必要に応じて定期的な計測・分析、保守管理などを実施しましょう。
簡単に行える工場の省エネ対策
工場を持つ多くの企業が「省エネ対策を進めたい」と考えている一方で、予算の問題でなかなか一歩を踏み出せない事例も多く見られます。
東京都環境局が行った調査によると、省エネ対策を行ううえでの課題として「予算が確保できない」「投資が回収できるのか不安」という点が挙げられています。
(引用元:東京都環境局 東京都地球温暖化防止活動推進センター「めっき工場の省エネルギー対策」)
ここでは、高額な設備投資などのコストをかけずに簡単に行える省エネの方法を紹介します。
- 空調設備に関する省エネ
- 生産設備に関する省エネ
- 照明設備に関する省エネ
- OA機器に関する省エネ
- 衛生設備に関する省エネ
空調設備に関する省エネ
空調設備に関する省エネでは、4つのポイントがあります。どれもすぐに実践できることですので、ぜひ参考にしてください。
- 設定温度を「1℃」緩和する
- 日常的なメンテナンスを心がける
- 業務終了前に電源を落とす
- 空調エリアを限定する
設定温度を「1℃」緩和する
空調設備の省エネで最も身近なものの一つに設定温度があります。環境省によると、省エネと室内の快適さを両立できる室温として「夏は28℃、冬は20℃程度がよい」と述べています。もちろん、この温度を保つには設定温度の適切な管理も重要です。
また、エアコンの設定温度を1℃緩和すると、冷房時は約13%、暖房時は約10%削減できると言われています。
(引用元:環境省「エアコンの使い方について」)
夏場は熱中症にならないように注意しながら、推奨されている室温を考慮し、まずは「1℃」緩和することから取り組んでみましょう。
日常的なメンテナンスを心がける
フィルターや室外機の清掃など、日常的なメンテナンスを行うことで省エネ効果が期待できます。
フィルターにホコリが溜まり、汚れが蓄積すると空調効率が下がる原因になります。掃除機でホコリを吸い取るだけでも効率が大きく変わるため、定期的に清掃しましょう。
室外機の吹き出し口やフィン(裏側や側面にある薄い金属板)も同様に、ホコリが溜まらないように定期的に清掃を行いましょう。
また、吹き出し口に落ち葉が積もったり、物が置かれたりすると空気の流れが遮断され、空調効率が低下します。そのため、室外機周辺の清掃や整理整頓も欠かさず行うことが大切です。
さらに、夏場の室外機が直射日光で加熱されると、冷房効果が低下します。屋上など日当たりの良い場所に設置されている室外機には、日よけ対策を施すのも効果的です。
(引用元:東京都環境局「倉庫・冷蔵冷凍倉庫の省エネルギー対策」)
日よけ対策用のテントに関しては「日よけシェード・日よけメッシュシート」をご確認ください。
業務終了前に電源を落とす
業務終了と同時に空調設備の電源を落とすのではなく、30分から60分前に落とすことで省エネにつながります。
空調設備の電源を落としても、すぐに工場内の温度が変化することはありません。業務の最終確認や戸締りなどを行う時間を逆算して、空調設備の電源を落とすようにしましょう。
空調エリアを限定する
工場は広いスペースであることと、人や機材の出入りが多くあることから、空調設備の設定温度と室温との間に差が生じがちです。
工場の中でも多くの人が作業するエリアや、休憩スペースなどの空調を集中的に効かせたいエリアについては、ビニールカーテンで区切って空調効率を上げる方法もあります。
ビニールカーテンは冷気や暖気を外に逃さないため、夏場・冬場どちらも快適な環境で作業ができます。加えて、空調設備の設定温度の緩和に貢献し、空調を稼働させる台数も最小限にできるメリットがあります。
また、冷気や暖気を均一に行き渡らせるために、扇風機を併用することで空調効率を高めることができます。
ビニールカーテンに関する詳細は「ビニールカーテンで断熱・空調効率アップ!省エネ特集」をご確認ください。
生産設備に関する省エネ
毎日使用する生産設備も、省エネの観点から見ると対策できることが多くあります。
コストをかけずに日々の運用方法を工夫することで省エネにつながるため、参考にしてください。
- 稼働していない設備の電源を落とす
- 電源の投入は順番に行う
- 放熱対策を行う
- コンプレッサーの空気漏れを改善する
- コンプレッサーの吐出圧力を低くする
- ボイラーの設定圧力を低くする
- ボイラーの空気比を管理する
稼働していない設備の電源を落とす
もっともシンプルに省エネにつながる方法は、機械の電源を落とすことです。機械が稼働していなくても、電源がONになっていれば電気代は発生します。1日の中でも使用しない時間帯がある機器などは、こまめに電源を落とすだけでも省エネにつながります。
電源の投入は順番に行う
いくつもの生産設備の電源を同時に立ち上げると、ピーク電力が高くなることをご存じでしょうか。ピーク電力とは、1日の中で電力消費が最も高くなる瞬間のことを指します。
複数の設備を使用する場合でも、分散して電源を入れることでピーク電力を抑えることができます。
多くの電力会社では、ピーク時の使用電力に基づいて電気料金を決定する場合が多いため、ピーク電力の上昇幅を抑えることで電気料金の削減も期待できます。
放熱対策を行う
生産設備の中には稼働中に熱を発するものがありますが、機器にカバーを装着して放熱損失を抑えると、省エネにつながります。放熱を防ぐ際はアルミカバーが効果的で、熱効率が上がって加熱・暖房のための電気消費量が減らせます。
(引用元:経済産業省 関東経済産業局「省エネからはじめる経営力アップハンドブック」)
コンプレッサーの空気漏れを改善する
省エネ実現のためにはコンプレッサーへの対応も忘れてはいけません。特に弁の閉め忘れや、継ぎ手・ホースからの空気漏れは、大きな電力損失の原因となります。空気漏れの改善によって電気代が大幅に削減できる場合もあるため、定期的にチェックしましょう。
コンプレッサーの吐出圧力を低くする
コンプレッサーへの省エネ対策として、設備・装置に合った吐出圧力に設定する方法もあります。
吐出圧力を0.1MPa下げると、およそ10%の省エネにつながります。業務に支障をきたさないことを確認し、吐出圧力を下げても問題がない場合は設定を見直してみましょう。
また、エアー配管が細すぎる・距離が長すぎることは圧力損失になるため、配管が適切かどうかも一度確認することをおすすめします。
(引用元:東京都環境局 東京都地球温暖化防止活動推進センター「めっき工場の省エネルギー対策」)
ボイラーの設定圧力を低くする
ボイラーは設定圧力によって効率が大きく変化する機器です。
運転圧力が0.1Mpa変わることで、効率は約0.16%変化すると言われています。メーカーや専門業者などに確認し、必要以上に設定圧力が大きくなっている場合は設定を見直してみましょう。
(引用元:経済産業省 関東経済産業局「省エネからはじめる経営力アップハンドブック」)
ボイラーの空気比を管理する
ボイラーの空気比を適正にすることも、省エネのためには重要なポイントです。
適正な空気比で運用すれば、不完全燃焼を防ぎ排ガス損失も低減できます。場合によってはおよそ4%もの燃料の節約が可能なため、ボイラーの設定圧力とともに定期的なチェックが欠かせません。
(引用元:経済産業省 関東経済産業局「省エネからはじめる経営力アップハンドブック」)
照明設備に関する省エネ
工場の運営に欠かせない照明機器は、不要な時間・場所での消灯や間引きしての使用、または自然光を取り入れることで電気代を削減できる可能性があります。
JIS規格では「照度基準」が公開されているため、照度計を用いて自社の工場が適切な明るさかどうか確認しましょう。工場全体を照らす照明ではなく、手元に近い場所のみ照らす小さな照明の導入も効果的です。
(引用元:経済産業省 関東経済産業局「省エネの進め方と現場で役立つ着眼点」)
OA機器に関する省エネ
パソコンや複合機といったOA機器は、未使用時には電源をOFFにすることが重要です。
また、電源ONの場合でもパソコン内の節電設定や、画面の明るさ調整を行うだけで消費電力を抑えられます。複合機も、長時間使用しない場合はスリープ状態にできる機能があるため、積極的に活用しましょう。
衛生設備に関する省エネ
トイレや洗面所といった衛生設備にも、省エネ対応機器の導入がおすすめです。
温水洗浄便座の温度は一つレベルを下げ、使用後は便座のフタを閉めておくだけで電気料金はかなり節約できます。
加えて、長時間過ごす場所ではないトイレや洗面所の照明は、人感センサーでON・OFFが切り替えられるようにすると、電気の消し忘れによるロスも減らせます。
工場で行える節水対策
工場の設備の中でコストがかかるものの一つとして、水があります。
必要以上に水を使用することがないよう、節水ノズルを取り付けて自動的に水の使用量を減らすと良いでしょう。
また、近年では工場から出た排水を再生処理して、再生水として利用するシステムが開発されています。生産設備で多く水を使う工場の場合は、再生水の利用によって大幅に水道のコストが削減できる可能性があります。
工場の省エネ対策に関するまとめ
本記事では、簡単に実践できる工場の省エネ対策を紹介しました。
空調設備ではフィルター清掃や室外機への日よけ対策、コンプレッサーなどの生産設備では設定や運用方法の見直しといった対策によって、エネルギー効率の向上と省エネが一度に実現できます。
今回の記事からコスト削減と環境保護を両立するためのヒントを得て、できることから実践してください。
ビニプロでは、空調設備の効果を高めるビニールカーテンを取り扱っています。ビニールカーテンは高額な投資が必要なく、手軽に始められる省エネ対策のための商品です。
工場の省エネにビニールカーテンを使ってみたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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