クレームで困っている担当者必見!工場の騒音対策を徹底解説
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近年、近隣住民から工場へのクレームとして増えているのが、稼働している機械から発生する騒音に関するものです。中には、クレームを受けても騒音対策を講じなかった結果、近隣住民や自治会などとのトラブルが発生し、裁判にまで発展した工場もあります。
また、工場内の騒音は従業員にも悪影響を及ぼし、聴覚障害をはじめとする健康被害を引き起こす可能性があります。
本記事では、工場の騒音に関する法律から具体的な騒音対策までを詳しく解説します。
- この豆知識の目次
- 工場の騒音に関する法律
- 工場の騒音対策が必要な理由
- 従業員の健康を守るため
- 近隣からのクレームを防ぐため
- 生産性を低下させないため
- 企業イメージ向上のため
- 工場の騒音の発生源
- 金属加工機械
- 空気圧縮機・送風機
- 木材加工機械
- 印刷機械
- 効果的な工場の騒音対策
- 機械から発生する騒音を低減させる
- 建物への遮音・吸音対策を行う
- 防音ビニールカーテンを活用する
- 従業員の耳の保護を行う
- 工場の騒音対策に関するまとめ
工場の騒音に関する法律
工場の騒音対策を適切に行うためには、騒音に関する法律や音の基準について理解しておくことが必要です。
工場の騒音に関する法律には、1968年に制定された「騒音規制法」という法律があります。この法律は、工場や建設現場、自動車が発する騒音を対象とし、騒音被害から国民の生活環境や健康を守るために制定されました。
騒音規制法において工場の騒音に関連するのは、「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準」です。この基準では、工場の立地する区域の種類や時間帯ごとに、許容される騒音レベルが定められています。
例えば、静けさが求められる住宅地に該当する第二種区域では、昼間は50デシベルから60デシベル、夜間は40デシベルから50デシベルの範囲内に騒音レベルを収めなければいけません。
また、この基準では、昼間や夜間といった時間区分も細かく定められています。したがって、自己判断で時間区分を決めるのではなく、騒音規制法に定められた区分に従い、基準を超える騒音が発生しないよう対策を講じましょう。
特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準(引用元:環境省)
工場の騒音対策が必要な理由
工事の騒音対策が必要なのは、法律で定められているからというだけではありません。騒音は公害として扱われることもあるほど、人や生活へ大きな影響を与えてしまうからです。
ここでは、工場の騒音対策の必要性について、さまざまな角度から解説します。
従業員の健康を守るため
工場で適切な騒音対策が必要な大きな理由の1つは、従業員への健康被害を抑制することです。
騒音によって起こる健康被害には、頭痛やめまい、難聴や耳鳴りなどの聴覚障害があります。さらに、過度なストレスによって睡眠障害が引き起こされ、長期的に被害に苦しむ場合も少なくありません。
また、騒音による健康被害で従業員が働けなくなると、その欠員を埋めるためのコストがかかります。従業員の健康状態は企業や工場の運営に大きな影響を与えるため、従業員の健康を守る騒音対策は非常に重要です。
近隣からのクレームを防ぐため
工場の騒音は、対策を怠ると工場の周囲にまで広がり、近隣住民も従業員と同じように騒音による被害を受けます。その結果、「勉強に集中できない」「仕事中の打ち合わせができない」といったクレームが寄せられるようになるでしょう。
場合によっては、「毎日頭痛がして眠れない」など、健康被害を訴えるクレームが増える可能性もあります。
こうしたクレームは、近隣住民や自治会などとのトラブルを招き、最悪のケースでは事業継続が困難になる恐れもあります。
また、工場に関する騒音のクレームは年々増加しており、法律の基準内であってもクレームに発展するケースが少なくありません。自社の工場が地域社会と良好な関係を築き、これからも事業を続けていくためには、法律の基準に即した万全の騒音対策が必要です。
生産性を低下させないため
従業員が具体的な健康被害を訴えていない場合、騒音対策が上手くいっていると考えてしまうかもしれません。しかし、騒音によって集中力の低下や疲労感の増加といった、自覚しにくい症状が出ている可能性があります。
また、過度な騒音が発生している工場では、声が通りにくくなるため、従業員同士のコミュニケーションが取りづらくなります。指示がきちんと伝わらないことで、生産効率が低下したり、重大な事故が発生したりする恐れもあります。
従業員の体調不良と意思疎通の難しさという2つの要因によって、工場の生産性が大きく低下し、事業に大きな影響を与える可能性があることも、工場の騒音対策が欠かせない理由の1つです。
企業イメージ向上のため
騒音は、「環境基本法」で規定されている典型7公害の1つに該当するため、騒音規制法によって上限値が制限されています。そのため、適切な騒音対策を行わないと、企業の社会的責任(CSR)に対する意識が低いと見なされ、他企業からの印象も悪くなってしまうでしょう。
また、騒音問題が原因で近隣住民とのトラブルが発生すると、デモや裁判に発展する可能性があり、事業停止に陥る可能性もあります。騒音問題によって工場が停止するリスクがあることは、製造を依頼しているクライアント企業にとって非常に大きな懸念材料です。このリスクによって、契約解除や取引中止などを招くこともあるでしょう。
このように、騒音問題によって「地域と共生できない企業」という印象を与えることは、将来的に売上の低下につながる恐れがあります。企業イメージを向上させるためにも、しっかりと騒音対策に取り組み改善していくことが重要です。
工場の騒音の発生源
工場の騒音といっても、発生源は1つに限らないため、1か所だけ対策を講じても工場全体の騒音問題が解決しないことがあります。
ここでは、工場内で騒音を発生させる主な機械や、騒音の特徴について解説します。機械ごとの騒音について理解を深め、適切な対策を講じる際の参考にしてください。
- 金属加工機械
- 空気圧縮機・送風機
- 木材加工機械
- 印刷機械
金属加工機械
金属加工機械とは、金属を用いて金属を加工する機械のことを指します。代表的な金属加工機械には、プレス機、せん断機、鍛造機などがあります。
金属加工機械が発生させる騒音は、主に金属同士がぶつかることで生じる耳障りな騒音です。特に、例として挙げた機械は騒音が発生しやすいため、同種の他の機械よりも徹底した騒音対策が求められます。
また、金属加工機械は金属同士が衝突する際に振動も騒音を発生するので、騒音対策に加えて振動対策も必要となる場合があることに注意が必要です。
空気圧縮機・送風機
空気圧縮機や送風機は、ものづくりの工程だけでなく、空調設備としても設置されるなど、幅広い用途で使用されます。会社のさまざまな場所に設置されることがあるため、複数の空気圧縮機や送風機の騒音が重なり、悪影響を与えるほどの騒音になる点に注意が必要です。
空気圧縮機や送風機で発生する騒音は、主に送風に使用するファンやピストンの稼働音、さらには気流の乱れによる音などがあります。また、空気圧縮機や送風機の代表例としては、ターボ型送風機や容積型圧縮機が挙げられます。
木材加工機械
木材加工機械は、その名の通り、木材を加工する際に使用される機械を指します。中でも、帯のこ盤、丸のこ盤、かんな盤が、騒音に関する苦情を引き起こすことが多い機械として知られています。木材の切断音や削り音が、こうした木材加工機械が発する主な騒音です。
さらに、木材を加工する際に発生する切り粉を集めるために使用する集塵装置が発生させる騒音にも注意が必要です。木材加工機械本体だけでなく、付帯設備も騒音を発生させるため、両方に対して適切な騒音対策を講じなければいけません。
印刷機械
印刷機械は、本やポスターなどの印刷に使用される機械です。印刷時に発生するモーター音、用紙の稼働音、真空ポンプの稼働音などが騒音として扱われます。
一般的に、印刷機械が発する騒音は、他の機械に比べて騒音レベルが低く、過度な騒音として扱われることは少ないです。
しかし、印刷工場は静かな市街地や住宅街に立地していることが多いので、騒音レベルが低くても苦情の対象となるケースがあります。そのため、工場や事業所の立地場所に応じた、最適な騒音対策を講じましょう。
効果的な工場の騒音対策
最後に、工場の騒音対策として効果的な方法を解説します。従業員の保護や近隣への騒音漏れ対策など、さまざまな目的に合わせた対策を紹介しますので、1つだけでなく複数の対策を実践して、徹底的な騒音対策を行いましょう。
- 機械から発生する騒音を低減させる
- 建物への遮音・吸音対策を行う
- 防音ビニールカーテンを活用する
- 従業員の耳の保護を行う
機械から発生する騒音を低減させる
工場内で発生する騒音の多くは、部品の加工や製造などを行う機械から発生します。そのため、工場の騒音対策では、機械が発する騒音対策から始めることが重要です。機械の騒音対策として有効な方法には、以下のようなものがあります。
- 低騒音型機械の採用
- 給油
- 古い部品の交換
- 防音カバー・防振ゴムの取り付け
- 制振材の装着
これらの対策の中で、特に有効なのが低騒音型機械の採用です。近年販売されている機械は、加工技術の高性能化に加え、静音仕様となっているので、買い替えるだけで騒音を大きく軽減することが可能です。
特に、長年稼働している機械は、部品の経年劣化などで稼働音が大きくなっている場合があります。稼働状況や年数に応じて買い替えていくことで、根本から騒音を軽減できます。
また、機械が発する騒音には振動によるものも含まれます。そのため、防振ゴムや制震材の取り付けも有効な騒音対策となります。
ビニプロでは、防音や防振に有効なゴムシートやゴムマットを多数取り扱っているため、低コストで騒音対策を行いたい方はぜひ参考にしてください。
詳細は「ゴムシート・ゴムマットのオーダー製品・価格一覧」をご確認ください。
建物への遮音・吸音対策を行う
使用している機械によっては、機械自体に対策ができなかったり、機械への対策だけでは不十分だったりして、工場内の騒音が外に響いてしまうことがあります。このような場合には、次のようなアイテムを使用して、建物自体に対策を講じることが有効です。
- 遮音シート
- 防音マット
- 吸音材
これらのアイテムを工場の床や壁、天井などに設置することで、遮音・吸音効果により機械の騒音が工場外に漏れることを防ぎます。そのため、騒音問題による近隣住民とのトラブルの回避や改善には、こうした対策が有効です。
ただし、この方法では工場内の騒音を抑えることはできません。従業員が騒音による健康被害を受けないようにするための対策も、別途必要であることに注意しましょう。
防音ビニールカーテンを活用する
防音ビニールカーテンを活用して騒音の伝播経路を遮断することも、工場の騒音対策として有効な方法です。
防音ビニールカーテンには「遮音」「吸音」のタイプがあります。
遮音 |
・空気中を振動して伝わってくる音を跳ね返して反響させることで、外に騒音が漏れるのを防ぐ ・反響により遮音するので音漏れの心配が少ない ・室内に必要以上の音が反響するのがデメリット ・室内の音が多くなってもいいので音漏れを防ぎたい場合に適している |
---|---|
吸音 |
・発生した音をシートが吸収して音を小さくする ・音を吸収するため、屋外への音漏れ、室内への反響をともに軽減する効果が見込める ・音を跳ね返す遮音タイプに比べて音は透過すると言われているが、内部に音が反響しない |
工場の状況や悩みに合わせたタイプを選択するようにしましょう。
作業場の間仕切りや、工場の出入口、通路口、搬入口などに設置したり、防音ブースを設ける場合などで利用できます。
詳細は下記をご確認ください。
従業員の耳の保護を行う
従業員の騒音対策として、ノイズキャンセリング耳栓やイヤーマフを配布し、耳に入る騒音を直接カットすることが有効です。これらのアイテムは、商品によりますが、1つあたり数千円で購入できます。
また、防音監視室を設け、この部屋から機械を遠隔操作して作業できるようにし、従業員が静かな場所で作業できるようにするのも効果的です。費用はかかりますが、機械の稼働場所と作業場所を物理的に分けることで、騒音を大幅に削減できるので、従業員の健康被害を予防するのに非常に役立ちます。
工場の騒音対策に関するまとめ
工場の騒音は、近隣住民に悪影響を与えてきた歴史から公害の一つに認定されており、現代では法律によって厳しく音の大きさなどが規制されています。
適切な騒音対策を講じていない工場は、近隣住民とのトラブルを招くだけでなく、クライアントからの評価や評判が悪化し、事業継続に大きな影響を及ぼすようになりました。
ビニプロでは、機械の振動音を吸収するゴムシートや、騒音を閉じ込める防音・遮音ビニールブースやシートなど、工場の騒音対策に効果的なアイテムを多数取り扱っています。
対策を行いたい機械に合わせたサイズ調整など、お客さまの工場に適した加工も承っていますので、作業効率を損なわない実用的な騒音対策をサポートします。
騒音に関するクレームに悩んでいる方や、本記事をきっかけに騒音対策にしっかり取り組みたいと思った方は、ぜひ一度お問い合わせください。
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