工場の粉塵対策は、従業員の健康と作業効率を守るために不可欠です。粉塵は作業環境を悪化させ、呼吸器の疾患といった健康被害を引き起こす可能性があります。

本記事では、工場での粉塵対策における3つの方法を詳しく解説します。適切な対策を講じることで、作業環境の改善・従業員の健康保護・生産性向上につながるため、粉塵対策でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

この豆知識の目次

工場で粉塵対策が必要な理由

従業員の健康を守る

製品の品質低下を防ぐ

工場の生産性低下を防ぐ

工場における粉塵作業の3大対策

粉塵を発生させない

粉塵の拡散を防止する

粉塵を吸入しない

ビニールブースを使用した粉塵の拡散防止

ビニールカバーを使用した機械装置の保護

定期的なじん肺健康診断を受診

工場の粉塵対策に関するまとめ

工場で粉塵対策が必要な理由

工場の粉塵対策には様々な方法がありますが、そもそもなぜ粉塵対策をしなければならないのでしょうか。以下の3つの理由について解説します。

• 従業員の健康を守る
• 製品の品質低下を防ぐ
• 工場の生産性低下を防ぐ

従業員の健康を守る

粉塵とは、空気中を浮遊する塵（ちり）状の粒子のことで、粉のように細かいホコリなどを総称したものです。

もしも吸い込んでしまうと、呼吸器の疾患やアレルギー反応を引き起こす可能性があり、長期間にわたって肺に蓄積すると肺の機能が低下する原因にもなります。

＜参考サイト＞
粉じんの吸入ばく露による健康障害を評価する
(引用元：労働安全衛生総合研究所)

従業員の健康保護のため、しっかりと粉塵対策をすることが必要です。

製品の品質低下を防ぐ

破砕・研磨・解体など工場で行われる幅広い作業工程で発生する粉塵は、目に見えないほど小さなものも含めて衣服・製品・壁や床などあらゆる場所に付着します。

時には粉塵によって製品に汚れや傷がつく場合もあり、製品の見た目や機能が損なわれるリスクも存在します。特に高い安全性が求められる食品や医療品を製造する工場では、粉塵の厳格な管理を行い製品の品質低下を防ぐ必要があります。

工場の生産性低下を防ぐ

非常に細かい粒子である粉塵が設備に付着すると、機械の故障につながる場合があります。万が一粉塵が原因で設備が使えなくなり、生産ラインが停止すると工場の運営に多大な影響が発生します。

自社の顧客・取引先や売上への被害も考えられるため、高い生産性での設備稼働を実現するには、日頃から粉塵による故障が発生しないように対策を行うべきです。

工場における粉塵作業の3大対策

工場において粉塵被害を防ぐには、次の3つの対策が重要です。

1. 粉塵を発生させない（＝作業環境の改善）
2. 粉塵の拡散を防止する（＝換気対策の実施）
3. 粉塵を吸入しない（＝呼吸用保護具の適切な使用）

(引用元：独立行政法人労働者健康安全機構「労働衛生対策の基本 粉じん作業とその対策」)

従業員の健康被害を防ぎ、生産性を高く保つためにもしっかりチェックしておきましょう。

粉塵を発生させない

• 散水設備の活用
  – 設置場所：切削や研磨作業エリア
  – 効果：水の使用により粉塵の飛散を抑制
• 原料の選定
  – 方法：粉塵の少ない原料を選ぶ
  – 効果：発生する粉塵量の削減

粉塵の拡散を防止する

粉塵の発生を最大限まで予防したとしても、ゼロにすることは容易ではないため、粉塵が出た場合に拡散しない防止策も必要です。

• 局所排気装置を設置して粉塵の発生源から直接除去する
• 壁と床の境目や窓枠など粉塵が溜まりやすい場所を清掃して舞い上がらないようにする
• 粉塵が発生する作業場を密閉し他の部屋への飛散を防止する
• 定期的な全体換気の実施と工業用空気清浄機の導入を行い空気入れ替えと粉塵濃度低減を行う

粉塵を吸入しない

作業に従事する人が粉塵を吸い込まないためには、防塵マスクや保護メガネの使用がおすすめです。

国家検定規格に合格したマスクを使用すること、マスク着用時は顔との間に隙間が空いていないこと、空気の漏れがないことを確実にチェックしましょう。

(引用元：厚生労働省「防じんマスク | 家内労働 あんぜんサイト」)

ビニールブースを使用した粉塵の拡散防止

粉塵の拡散を防止する手段として、ビニールブースがおすすめです。

粉塵が多く発生する作業場を区切ったり、粉塵の影響を受けやすい精密機器を保護する目的としても活用可能です。

サイズや設置方法は工場の設備にあわせてオーダーメイドで作成できるため、様々な環境の工場に導入できます。

ビニールブースの詳細は「ビニールブース製作・価格一覧」をご確認ください。

ビニールカバーを使用した機械装置の保護

業務用のビニールカバーを使用することで、粉塵から機械設備を保護できます。

ビニールブースは機械を含む空間を囲うのに対して、ビニールカバーは機械のみをピンポイントで覆うことができ、より粉塵被害を防ぐ役割があります。

機械のサイズにあわせて1点からオーダーメイド製作が可能なため、様々な機械設備に利用できます。

粉塵によって設備の機能低下や故障が発生すると、製品の品質低下だけでなく生産ラインが停止してしまう可能性もあります。工場の運営に大きな影響が出る前に、しっかりとビニールカバーで機械設備の保護を行いましょう。

ビニールカバーの詳細は「機械カバー・装置カバーのオーダー製作・販売」をご確認ください。

定期的なじん肺健康診断を受診

「じん肺」とは、小さなホコリや金属・鉱物の粒子などを長年にわたって大量に吸い込んだ際に起こる肺の病気です。

健康な肺は常に伸縮することで体内に酸素を取り入れていますが、「じん肺」で肺が硬くなると酸素が上手く取り込めず、呼吸困難に陥ります。

「じん肺」がさらに進行すると、肺結核や気管支炎といった深刻な合併症が発生する確率も高くなってしまいます。

労働安全衛生法では、「常時粉じん作業に従事する労働者（過去に常時粉じん作業に従事したが、現在は非粉じん作業に従事する労働者も含む）の健康管理のため、事業者はじん肺健康診断を実施しなければならない」と定められています。

呼吸用保護具（防塵マスク）の適切な使用に加え、定期的な肺の検査を実施して作業員の命を守ることが大事です。

＜参考サイト＞
じん肺、じん肺健康診断、じん肺管理区分について
(引用元：厚生労働省 奈良労働局)

工場の粉塵対策に関するまとめ

工場の粉塵対策は、従業員の健康保護・作業環境の改善・機械の効率的な稼働などを実現するために欠かせないものです。

今回ご紹介した3大対策、「粉塵を発生させない」「粉塵の拡散を防止する」「粉塵を吸入しない」を実践することで、粉塵によるリスクを大幅に軽減できます。

ビニプロでは、粉塵対策に役立つビニールブースやビニールカバーを取り扱っています。工場の粉塵対策をより強化したい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。