スチール・アルミ・ステンレスの錆び方の違い
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カーテンレール・間仕切りポール・ビニールパーテーションのパイプフレームといった金属部分の耐用年数は、使用状況によって大きく異なります。中でもサビは見た目のみならず使用感に悪影響を及ぼすため、しっかりケアすることが重要です。スチール・アルミ・ステンレスの錆び方、サビを防ぐ方法、サビが発生してしまった時の対処法について説明いたします。
- この豆知識の目次
- アルミやステンレスは本当に錆びないのか?
- スチール・アルミ・ステンレスの特性と錆び方の違い
- スチールの錆び方
- ステンレスの錆び方
- アルミの錆び方
- サビを予防して金属を長持ちさせるコツ
- 汚れや塩分をこまめに拭き取る
- 強い力で擦らない
- 他の金属と接触させない
- コーティングする
- 小さいうちにサビを落とす
- 発生してしまったサビの落とし方(重曹・クエン酸・サビ取り剤)
- 重曹を使う
- クエン酸を使う
- サビ取り剤を使う(スプレータイプ)
- サビ取り剤を使う(ペーストタイプ)
- サビ取り剤を使う(つけ置きタイプ)
- 利用環境に適した素材選びがたいせつ!
アルミやステンレスは本当に錆びないのか?
一般的にアルミやステンレスは錆びにくい素材として様々な部材に使用されています。とはいえ、実はまったく錆びないというわけではありません。錆びる原因を知って、正しい対処をすることでサビを抑えて耐用年数を伸ばす上でも大変重要となります。
スチール・アルミ・ステンレスの特性と錆び方の違い
カーテンレール・間仕切りポール・ビニールパーテーションのフレームなどに使われる金属として、スチール・アルミ・ステンレスがあります。それぞれの錆び方について説明いたします。
スチールの錆び方
スチールとは「鋼」とも呼ばれる、鉄を主成分とした金属・合金の総称ですが、一般的には鉄に炭素を加えて合金としたものを指します。
純度100%の鉄というのは大変脆く、素材としては不向きのため基本的に利用されません。鉄だと認識されている素材はほとんどがスチールだということになります。
スチールのサビは、スチールに含まれている鉄が水や空気と触れ合い酸化することで発生する赤サビです。放置しておくと酸化がどんどん進み、金属の内部までボロボロになってしまいます。一般的にスチールにサビが発生しないように塗料を塗ることが多いのですが、塗料が落ちてきた箇所から錆びてしまいます。
ステンレスの錆び方
ステンレスとは、鉄にクロムを加えて合金としたものを指します。英語では”Stainless steel”(=錆びない鋼)と表現されるほど錆びにくい金属です。
主成分は鉄なのですが、クロムを加えることで表面でクロムと酸素が反応して酸化皮膜を発生し、錆びることを防ぎます。酸化皮膜が傷つけられた場合でも、クロムと酸素が素早く酸化皮膜を再生成し、再び錆びることを防ぎます。この再生力がステンレスが錆びにくい理由です。
錆びにくいスレンレスですが、下記のような原因で錆びてしまいます。発生するのはスチール同様、鉄が水や空気と触れ合い酸化することで発生する赤サビです。
もらいサビで錆びる
ステンレス自体が錆びるのではなく、錆びる素材のものが長時間触れていることでサビが付着した状態を指します。さらに、表面にサビが付着してしまっているとそこを起点にして、ステンレス自体が錆びてしまいます。
汚れや水分の付着で錆びる
ステンレスの表面に汚れや水分が付着したままになっていると、酸化皮膜が発生することが出来ず、錆びやすくなってしまいます。
塩素イオンで錆びる
酸化皮膜は塩素イオンによって壊されてしまいます。身近な原因としては、海岸が近くにあり海風にさらされる環境にある場合(塩害)や、塩素系の漂白剤をステンレスに使用した場合、それらに含まれる塩素イオンに酸化皮膜が壊され、錆びやすくなってしまいます。
アルミの錆び方
アルミに関してもステンレスと同様の仕組みで錆びにくい金属になります。乾燥した空気中の酸素とアルミの表面が反応して酸化皮膜を発生させて錆びることを防ぎます。
錆び方についてもステンレス同様の原因によって酸化皮膜が壊され、錆びやすくなってしまいます。発生するのはスチールやステンレスとは異なり、アルミが湿度のある中で発生する白サビです。
白サビを水垢などの汚れと勘違いし、サビだと思っていなかったという方も多いかもしれません。そのため「アルミは錆びない」と誤解されてしまうことがありますが、錆びないようにしっかりとケアする必要があります。
サビを予防して金属を長持ちさせるコツ
サビの予防には金属をサビの原因から遠ざけることが重要になります。
汚れや塩分をこまめに拭き取る
汚れや塩分は上述した通り金属が錆びる原因となるため、こまめに拭き取って清潔な状態を保つことが手軽なサビ予防と言えます。
強い力で擦らない
汚れを取る際に研磨剤やたわしで強い力で擦るのは厳禁です。ステンレスやアルミは表面に酸化皮膜を発生させることで錆びることを防いでいますが、強い力で擦ることによって酸化皮膜が壊され、錆びやすくなってしまいます。
他の金属と接触させない
もらいサビを防ぐためにも、他の金属との接触は避けるよう注意が必要です。
コーティングする
金属の表面を他の素材でコーティングして、金属自体をサビの原因から防ぐという方法もあります。主な分類としては、プラスチックやゴムで表面をコーティングする有機皮膜、他の金属やセラミック、薬剤で表面をコーティングする無機皮膜があります。防錆スプレーとして市販されているため、金属が錆びやすい使用状況にある場合はご活用ください。
小さいうちにサビを落とす
サビは一度発生すると、そこを起点に進行して、目に見えない金属の内部までボロボロにしてしまいます。見つけたら早急に対処することが重要です。
発生してしまったサビの落とし方(重曹・クエン酸・サビ取り剤)
もし、サビが発生してしまったらどうすれば良いのでしょうか?最も一般的な赤サビの落とし方について説明いたします。
重曹を使う
スーパーや薬局で売っている「重曹」をペースト状にして研磨剤代わりにして、サビを擦り落とすことが出来ます。
必要なもの
- 重曹
- 水
- メラミンスポンジ
- 乾いた布
手順
- 重曹:水=1:4の割合で混ぜて、重曹ペーストを作ります。
- サビの部分に重曹ペーストを塗ります。
- 1時間ほど放置して、重曹ペーストがサビに浸透するのを待ちます。
- メラミンスポンジで重曹ペーストを擦り落とします。
※サビ以外の場所を強く擦りすぎないように注意します。 - サビを残さないようにしっかり乾拭きします。
クエン酸を使う
熱中症の予防や疲労回復、水垢取りや滑り取りにも使用される「クエン酸」の還元作用を利用してサビを落とすことが出来ます。
必要なもの
- クエン酸
- お湯
- 錆びたものを入れるプラスチック容器
※金属の容器の場合、変色してしまう可能性があります。 - 乾いた布
手順
- クエン酸:お湯=1:6の割合で混ぜてクエン酸水を作り、容器に入れます。
※クエン酸は冷たい水には溶けにくいのでお湯で溶かします。 - 錆びたものをクエン酸水に漬けます。
※錆びたものが容器に入らない場合、クエン酸水を染み込ませた布をサビに対してパックすることで代用可能です。 - サビを残さないようにしっかり乾拭きします。
サビ取り剤を使う(スプレータイプ)
重曹やクエン酸で落ちないような頑固なサビには、サビ取り剤を使います。中でもスプレータイプは手を汚さず、簡単にサビを取ることが出来ます。
必要なもの
- サビ取り剤(スプレータイプ)
- メラミンスポンジ
- 乾いた布
手順
- サビの部分にスプレーを噴射し、乾いた布で拭き取ります。
- サビが残っていたらスプレーをもう一度噴射し、メラミンスポンジで擦り落とします。
- サビを残さないようにしっかり乾拭きします。
サビ取り剤を使う(ペーストタイプ・クリームタイプ)
垂直面のサビ取りは液垂れしないペーストタイプを使用します。
必要なもの
- サビ取り剤(ペーストタイプ)
- 乾いた布2枚
手順
- 布を使って、サビの部分にペーストを塗ります。
- 5分程放置します。
- ペーストを拭き取ります。
- サビを残さないようにしっかり乾拭きします。
サビ取り剤を使う(つけ置きタイプ)
複雑な形状のものや細かい道具のサビを取りたい場合は、つけ置きタイプを使用します。
必要なもの
- サビ取り剤(つけ置きタイプ)
- 錆びたものを入れるプラスチック容器
- 乾いた布
手順
- サビ取り剤(つけ置きタイプ)を容器に入れます。
- 錆びたものをサビ取り剤(つけ置きタイプ)に漬けます。
- サビを残さないようにしっかり乾拭きします。
利用環境に適した素材選びがたいせつ!
使用する環境が屋外なのか屋内なのか、どのくらいの温度や湿度なのかといった利用環境によって最適な素材があります。素材選びなどでお悩みの場合でも、プロの専門担当がご対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
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