リスクを低減して作業員を守る!高所作業時にやるべき安全対策と工夫を紹介
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建設現場における高所作業の安全対策は、作業員の命を守るだけでなく、企業の持続的な成長にも直結する重要課題です。
厚生労働省の統計によれば、死亡災害の約3割が「墜落・転落」によるものといわれています。その多くが高所作業中の事故であり、適切な対策を講じることで防げた可能性があります。
(引用元:厚生労働省労働基準局「令和5年 労働災害発生状況」)
本記事では、高所作業における具体的な安全対策と、現場で実践できる工夫を詳しく解説していきます。作業効率を損なうことなく、作業員のモチベーション向上にもつながる実践的なアプローチをお伝えします。これらの施策を適切に実施することで、安全な職場環境の構築はもちろん、離職率の低下や企業価値の向上にも寄与することができるでしょう。
- この豆知識の目次
- 安全対策が必要となる高所作業の種類
- 足場の組立・解体作業
- 鉄骨の組立作業
- 電気・通信設備の設置、点検作業
- 建物の清掃作業
- 高所作業時に行うべき安全対策
- 安全装備を着用する
- 安全ネットを設置する
- 作業前にリスクアセスメントを行う
- 安全区域の確保と標識を設置する
- 作業手順の明確化と安全教育の実施
- 作業員同士の声かけと連携の実施
- 高所作業の種類に応じた安全対策
- 足場の組立・解体作業時の安全対策
- 鉄骨の組立作業時の安全対策
- 電気・通信設備の設置作業時の安全対策
- 建物の清掃作業時の安全対策
- 高所作業の安全対策に関するまとめ
安全対策が必要となる高所作業の種類
高所作業とは、労働安全衛生規則で定められた「地上又は床面から2メートル以上の高さにある場所で行う作業」を指します。この定義に該当する作業では、労働安全衛生法に基づく墜落制止用器具の使用や作業床の設置など、厳格な安全対策が義務付けられています。
(引用元:厚生労働省安全衛生部安全課「労働安全衛生法令における墜落防止措置と安全帯の使用に係る主な規定」)
建設現場では、以下のような多様な高所作業が日常的に行われており、それぞれの特性に応じた安全対策が必要です。
- 足場の組立・解体作業
- 鉄骨の組立作業
- 電気・通信設備の設置、点検作業
- 建物の清掃作業
以下で詳しく解説します。
足場の組立・解体作業
足場の組立・解体作業は、建設現場における最も基本的かつ重要な高所作業の一つです。現場では作業の規模や建物の特性に応じて、様々なタイプの足場が使用されます。
一般的な単管足場やくさび緊結式足場に加え、狭小地での作業に適したスライド式足場、高層ビル工事で活用されるリフトクライミング足場など、現場条件に応じて最適な足場を選定する必要があります。
作業手順においては、組立・解体の作業計画の事前策定が重要です。計画では、作業手順や作業場所の広さ、使用する機材、作業員の配置などを詳細に定めます。
特に重要なのは、「交さ筋かい」や「布材」などの補強材を適切なタイミングで設置することです。これらが不十分だと、足場全体が不安定になり、重大事故につながる危険があります。
また、作業時には必ず「働きながら(作業しながら)」の原則を徹底します。これは、作業員が常に安全な足場の上で次の作業を行うことを意味し、不安定な状態での作業を防止する役割があります。雨天時や強風時には作業を中止する判断も必要で、現場責任者には気象条件を考慮した適切な作業管理が求められます。
鉄骨の組立作業
鉄骨の組立作業は、建築物の骨格を形成する重要な工程であり、高度な技術と万全の安全対策が要求される高所作業です。数トンもの重量がある鉄骨部材を、クレーンで吊り上げながら高所で精密な組立や接合を行うため、複数の危険要因が重なり合う作業といえます。
作業の中心となるのは、鉄骨部材同士を接合するボルト締結作業と溶接作業です。特にボルト締結では、本締め前の仮締め状態で作業を行う必要があり、部材の安定性が完全でない状況での高所作業となります。
クレーン作業との連携も重要なポイントです。玉掛け作業員、クレーンオペレーター、高所作業員の間で確実な合図系統を確立し、無線等による明確な意思疎通が必須となります。特に風の影響を受けやすい高所では、吊り荷の振れや予期せぬ動きに備えた余裕のある作業空間の確保が重要です。
電気・通信設備の設置、点検作業
電気・通信設備の高所作業は、電柱上や建物外壁での作業が主となり、他の建設作業とは異なる独特の安全対策が必要となります。特に、作業スペースが極めて限られた状況で、精密な設置や点検作業を行わなければならない点が大きな特徴です。
電柱作業では、昇柱はしごや安全帯を使用した基本的な安全確保に加え、充電部への接触防止という電気特有の危険にも配慮が必要です。
作業前には必ず検電器による活線確認を行い、場合によっては絶縁用防護具の装着も必要となります。また、雨天時や強風時には感電リスクが高まるため、より慎重な作業判断が求められます。
通信設備工事では、ケーブルの敷設やアンテナ設置など、両手での細かい作業が必要となります。このため、作業位置の安定確保が極めて重要です。建物屋上でのアンテナ設置では、事前に親綱を設置し、移動範囲全体をカバーできる墜落防止システムを構築することが重要です。
建物の清掃作業
高層ビルの清掃作業は、一見すると単純な作業に思えますが、実は高度な技術と細やかな安全配慮が必要となる高所作業です。特に、窓ガラスや外壁の清掃では、ゴンドラやロープアクセスシステムを使用した特殊な作業形態となるため、作業員の経験と熟練度が安全性を大きく左右します。
ゴンドラを使用する作業では、始業前点検が特に重要です。ワイヤーロープの摩耗や損傷、制動装置の作動確認、電動機の異常の有無など、細部にわたる点検を行います。また、ゴンドラ上での作業は原則として2名1組で行い、互いの安全確認と緊急時の対応に備えます。気象条件による作業制限も厳格で、風速10m/s以上での作業中止が義務付けられています。
近年増加しているロープアクセスシステムによる作業では、メインロープとは別にバックアップ用の安全ロープを必ず設置します。このダブルロープ方式により、万が一の墜落リスクを確実に防止します。ただし、ロープ高所作業では特別な技能講習の修了が必要で、未資格者による作業は厳禁となっています。
高所作業時に行うべき安全対策
高所作業における安全対策は、作業員の命を守る最後の砦です。しかし、単に法令で定められた対策を形式的に実施するだけでは、現場の安全は確保できません。現場の特性や作業内容に応じた実効性のある対策を、計画的に実施することが重要です。
以下に解説する6つの安全対策は、それぞれが独立したものではなく、相互に関連し補完し合う関係にあります。
- 安全装備を着用する
- 安全ネットを設置する
- 作業前にリスクアセスメントを行う
- 安全区域の確保と標識を設置する
- 作業手順の明確化と安全教育の実施
- 作業員同士の声かけと連携の実施
これらを総合的に実施することで、はじめて現場の安全性が確保されます。特に重要なのは、これらの対策を形骸化させないことです。
日々の作業の中で、なぜその対策が必要なのかを作業員一人一人が理解し、自主的に実践できる環境づくりが求められます。各安全対策の具体的な実施方法と、現場での実践におけるポイントについて、順を追って解説していきます。
安全装備を着用する
安全装備の適切な着用は、高所作業における最も基本的かつ重要な安全対策です。
厚生労働省によると、2022年の法改正により高さ2メートル以上の作業ではフルハーネス型墜落制止用器具の使用が原則義務化されました。これは従来の胴ベルト型に比べ、墜落時の衝撃を体全体に分散させ、致命的な事故を防止する効果が高いためです。
(引用元:厚生労働省「安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!」)
フルハーネスの着用では、肩・腿・胸のストラップを適切な強さで締め、常にぶれや緩みがない状態を保つことが重要です。特に高層での作業では、2本の安全帯(命綱)を交互に掛け替えながら移動する「2丁掛け」を徹底します。1本が万が一破損や劣化していた場合でも、もう1本で確実に命を守ることができます。
頭部保護具であるヘルメットは、飛来・落下物からの保護に加え、墜落時の頭部への衝撃を緩和する重要な役割を果たします。あごひもの確実な締結と、定期的な外観点検による劣化チェックが欠かせません。
また、溶接作業や切断作業など、目に危険が及ぶ作業では、必ず保護メガネを着用しましょう。
安全ネットを設置する
安全ネットは、高所作業における二重、三重の安全対策として極めて重要な役割を果たします。作業員の墜落防止が主目的ですが、工具類の落下防止や下層部で作業する人員の保護など、複数の安全機能を持ち合わせています。
設置場所は作業の性質によって異なりますが、一般的には以下の箇所が重要となります。
- 建物の外周部:作業床の外側に垂直に設置し、作業員の転落と物の落下を防止
- 作業床の開口部:エレベーターシャフトなどの開口部を覆い、墜落を防止
- 建物内部の吹き抜け:上層階からの落下物から下層階の作業員を保護
安全ネットの選定では、現場の状況に応じた適切な強度と目合いの選択が重要です。特に、工具などの小物が落下する可能性がある場所では、細かい目合いのネットを使用します。また、ネットの端部は必ず強固に固定し、たるみや緩みが生じないよう定期的な点検と調整が必要です。
ビニプロでは安全ネットを取り扱っており多くの建設現場で利用されています。
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作業前にリスクアセスメントを行う
リスクアセスメントとは、作業に潜む危険要因を事前に特定し、その影響度と発生確率を評価した上で、適切な対策を講じるプロセスです。形式的な実施ではなく、現場の実情に即した実践的な評価を行うことが重要です。
特に新規現場での作業開始時には、以下の観点での詳細な確認が不可欠です。
- 作業場所周辺の状況(電線、配管、障害物の有無)
- 地盤や建物構造の特徴
- 気象条件の影響(強風、雨、日照など)
- 作業員の経験度と必要な資格
- 使用する機材の状態と適合性
過去の事故事例を見ると、「まさか」という思い込みや、「いつもの現場だから」という慣れが事故につながるケースが少なくありません。
例えば、足場設置時に周辺の電線位置を見落として接触事故が発生したり、地盤の確認不足により足場が傾いて崩壊したりといった重大事故が報告されています。
効果的なリスクアセスメントのポイントは、複数の目で確認することです。現場監督、作業責任者、実際の作業員など、異なる立場のメンバーで評価を行うことで、より多角的なリスクの洗い出しが可能となります。
また、確認した内容は必ず文書化し、作業員全員で共有することで、リスクに対する意識の統一を図りましょう。
安全区域の確保と標識を設置する
高所作業における安全対策は、作業員の安全確保だけでなく、作業区域周辺の第三者保護も重要な要素です。特に、都市部での建設作業では、歩行者や車両の往来が多いため、より慎重な対応が求められます。
安全区域の設定では、以下の原則に従って計画を立てます。
- 落下物の飛散範囲を考慮し、作業高さの1.5倍程度の半径で立入禁止区域を設定
- 区域の境界には、バリケードやカラーコーンを連続的に設置
- 夜間作業や視界不良時に備え、点滅灯や反射材を活用
- 強風時は、立入禁止区域をさらに拡大
標識の設置においては、視認性と分かりやすさが重要です。「危険」「立入禁止」「高所作業中」「落下物注意」などの警告標識は、複数の視点から確認できるよう配置します。また、外国人作業員や来訪者に配慮し、ピクトグラム(図記号)を併用することも効果的です。
作業手順の明確化と安全教育の実施
労働安全衛生法では、高所作業に従事する作業員に対する特別教育の実施が義務付けられています。
<参考サイト>
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
(引用元:一般社団法人労働技能講習協会)
特に、フルハーネス型墜落制止用器具を使用する作業では、作業員全員が専門の技能講習を修了していることが必須となります。しかし、法定の教育を実施するだけでは十分とは言えません。
効果的な安全教育には、以下の要素を含める必要があります。
- 作業手順書に基づく具体的な作業方法の説明
- 使用する安全装備の正しい装着方法と点検手順
- 想定される危険状況とその回避方法
- 緊急時の対応手順と連絡体制
- 過去の事故事例とその教訓
特に重要なのは、座学だけでなく実地訓練を取り入れることです。フルハーネスの装着、安全帯の掛け替え、救助要請の手順など、実際の動作を伴う訓練により、緊急時でも確実に対応できる技能を身につけることができます。
作業員同士の声かけと連携の実施
高所作業における事故の多くは、作業員間のコミュニケーション不足が原因となっています。特にクレーン作業や重量物の取り扱いでは、オペレーター、合図者、作業員の間で確実な意思疎通が不可欠です。「いつもの作業だから大丈夫」という過信が、重大事故につながるケースが後を絶ちません。
効果的な声かけのポイントは以下の通りです。
- 作業開始前の「よし!」の掛け声と、周囲からの「よし!」の返事
- 作業中の「上からいきます!」「下、承知!」などの明確な意思表示
- 作業完了時の「終わりました!」の報告と確認
- 異常を感じた際の躊躇なき「待て!」「止め!」の声出し
また、現場の状況に応じた適切なコミュニケーション手段の選択も重要です。強風時や騒音の大きい環境では、声が届きにくくなるため、以下の対策が必要となります。
- トランシーバーなどの無線機の活用
- 統一された手信号の使用と全作業員への周知
- 必要に応じてホイッスルの使用
特に重要なのは、これらの連絡方法を事前に確認し、全員が同じ認識を持っていることです。朝礼や作業前ミーティングで、その日の作業に使用する合図を再確認することで、確実な意思疎通が可能となります。
高所作業の種類に応じた安全対策
高所作業の安全対策は、作業の種類によって大きく異なります。それぞれの作業には固有の危険要因があり、それに応じた的確な対策が必要となります。ここでは、代表的な4つの高所作業について、それぞれの特性を踏まえた具体的な安全対策を解説します。
- 足場の組立・解体作業時の安全対策
- 鉄骨の組立作業時の安全対策
- 電気・通信設備の設置作業時の安全対策
- 建物の清掃作業時の安全対策
以下、各作業における具体的な安全対策について詳しく見ていきましょう。
足場の組立・解体作業時の安全対策
足場の組立・解体作業は、建設現場における最も基本的かつ危険度の高い作業の一つです。この作業の安全性を確保することは、その後の全工程の安全性に直結します。そのため、徹底した安全対策が不可欠となります。
まず、墜落・転落防止対策として、作業床は必ず幅40cm以上を確保し、転落防止用手すりを設置します。
(引用元:東京労働局「足場の解体作業における災害防止対策のポイント」)
作業は「働きながら(作業しながら)の原則」を徹底し、常に安定した足場上で次工程を実施することが重要です。さらに、フルハーネス型安全帯の確実な使用と、親綱の適切な設置を行い、昇降設備の確保と安全な動線の確保も欠かせません。
資材の落下・飛散防止も重要な課題です。解体時には下部にメッシュシートを張り、部材の飛散を防止します。また、工具類には落下防止コードを使用し、資材の仮置き時は固定を確実に行うことで、突風による飛散を防ぎます。
近隣への配慮も安全対策の重要な要素となります。作業開始前には必ず近隣住民への挨拶と工事説明を実施し、早朝・夜間の騒音を伴う作業は避けるようにします。また、粉じん発生を抑制するため、必要に応じて散水を実施することも大切です。
気象条件への対応も確実に行う必要があります。強風時(10m/s以上)は作業を中止し、雨天時は作業を一時中断して天候回復後に安全確認を実施します。特に雷注意報発令時は直ちに作業を中止し、作業員を安全な場所に待避させることが重要です。このように、気象条件に応じた適切な判断と対応が、作業の安全性を大きく左右します。
鉄骨の組立作業時の安全対策
鉄骨の組立作業は、重量物を高所で扱う極めて危険度の高い作業です。この作業の安全確保には、作業環境の整備と作業手順の確実な実施が不可欠となります。
作業床の設置は最も基本的な安全対策です。可能な限り作業床を設置し、作業員の安定した足場を確保します。作業床の端部には必ず手すりを設置し、さらに作業場所の周囲には堅固な囲いを設けることで、作業員の墜落を防止します。
作業床が設置できない箇所では、必ずフルハーネス型安全帯を使用し、適切な取付設備に確実に接続することで作業員の安全を確保します。
鉄骨の組立作業では、部材の固定状態の確認が極めて重要です。組立中の鉄骨上に作業員を配置する際には、鉄骨が完全に固定されていることを必ず確認します。
特に仮ボルトの使用については、本数や配置を厳密にチェックし、作業開始前に監督者による確認を徹底します。不安定な状態での作業は絶対に行わず、少しでも異常を感じた場合は作業を中断しましょう。
クレーンでの部材の吊り上げ時には、作業員との連携が特に重要となります。クレーン操作員との間で明確な合図方法を事前に確立し、手信号や無線を活用して確実なコミュニケーションを図りましょう。
特に吊り荷の移動経路と接近位置については、事前に全作業員に周知し、安全な待避場所も確保します。また、強風時など気象条件によっては、作業の一時中断を躊躇なく判断することも重要です。
電気・通信設備の設置作業時の安全対策
電気・通信設備の設置作業は、感電のリスクと高所作業の危険が複合する特殊な作業です。そのため、電気に関する専門的な知識と高所作業の安全管理の両面から、慎重な対応が必要となります。
感電事故の防止は最優先事項です。配線作業を行う際には、必ず電源を遮断してから作業を開始します。電源遮断後も、検電器による確認を必ず実施し、作業箇所に通電していないことを確実に確認しましょう。
また、作業時には必ず規定の絶縁手袋と防護具を着用し、ベルトやライター、時計などの金属類は身に着けないようにします。特に雨天時や湿度の高い環境では、濡れた手で機器やケーブルに触れることがないよう、特段の注意を払うことが重要です。
高所での作業安全確保も重要です。作業開始前には必ず脚立や作業台の状態を入念にチェックし、ぐらつきや損傷がないことを確認します。
フルハーネス型安全帯とランヤードは作業開始前に必ず点検し、正しく装着することを意識します。特に電柱上での作業では、安全帯の二丁掛けを確実に行い、常に体を固定した状態を保つようにしましょう。
建物の清掃作業時の安全対策
建物の清掃作業、特に高層ビルの外壁清掃は、一般の高所作業とは異なる特殊な安全対策が必要となります。作業の多くはゴンドラやロープアクセスによって行われるため、使用する機材の選定と管理が安全確保の要となります。
ゴンドラを使用する清掃作業では、積載重量の管理が極めて重要です。作業開始前には、清掃機材や洗剤などの重量を必ず計測し、ゴンドラの積載制限を厳守します。作業員の体重も含めた総重量を事前に計算し、決して制限を超過することのないよう徹底しましょう。
また、作業中の機材の配置にも注意を払い、ゴンドラ内での重量バランスを適切に保つことが必要です。
ロープアクセスによる作業では、使用するロープの選定が安全性を大きく左右します。高所作業専用のスタティックロープを使用し、一定以上の強度のものを選択しましょう。
またメインロープとは別に必ずバックアップロープを設置し、二重の安全確保を図ることが重要です。使用前には必ずロープの状態を点検し、損傷や劣化が見られた場合は即座に交換しましょう。
また、工具類の落下防止も重要な課題です。シャントやアサップなどの専用器具を使用して確実に固定し、万が一の落下事故を防止します。清掃用具や工具は必要最小限とし、それぞれに落下防止コードを装着します。
特に、高所からの落下物は重大事故につながる可能性があるため、地上の安全確保にも細心の注意を払いましょう。
高所作業の安全対策に関するまとめ
高所作業の安全対策は、作業員の命を守り、企業の持続的な発展を支える重要な取り組みです。本記事では、足場の組立・解体作業から鉄骨の組立、電気・通信設備の設置、建物の清掃作業まで、様々な高所作業における具体的な安全対策について解説してきました。
本記事で紹介した各種の安全対策は、決して単独で機能するものではありません。安全装備の着用、作業手順の明確化、作業員同士の声かけなど、様々な対策を組み合わせることで、はじめて効果的な安全管理が実現します。重要なのは、これらの対策を形式的なものとせず、現場の実情に即した実効性のある取り組みとして実施することです。
特に注目していただきたいのは、安全ネットの活用です。適切な強度と目合いを持つ安全ネットの設置は、作業員の墜落防止はもちろん、工具類の落下防止にも大きな効果を発揮します。作業の種類や現場の状況に応じて、最適な安全ネットを選定し、確実に設置することで、より安全な作業環境を実現できます。
安全ネットについてより詳しい情報をお求めの方は、お気軽にビニプロまでお問い合わせください。作業員の安全を守り、効率的な工事の実現をサポートいたします。
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