屋外でも使用できる防水ビニールカバー
【プロ担当の専門情報】ご購入前に知っておいていただきたい、ビニールカバー豆知識を多数掲載しています。
防水ビニールカバーを屋外で使用する際の生地の選び方や注意するポイントなどについてご紹介します。
- この豆知識の目次
- 防水ビニールカバーとは?
- 防水ビニールカバーの特徴
- 防水性能について
- 防汚性能・フッ素加工について
- 屋外でも使用できる防水ビニールカバーの使用用途
- 屋外でも使用できる防水ビニールカバーの素材について
- 防水ビニールカバーに最適な素材
- 防炎素材の防水ビニールカバーで業務利用にも安心
- 優れた耐候性で屋外にも強いビニールカバー向けシート
- 屋外での防水ビニールカバーの利用例
防水ビニールカバーとは?
防水ビニールカバーの特徴
防水ビニールカバーの素材となるビニールシート。屋外での使用に適したビニールシートには3つのポイントがあります。
防水ビニールカバーには、主に防水性能・耐久性能・防汚性能が優れたテントシート生地やビニールシートがよく利用され、耐用年数も長いシート素材が選ばれることが多いです。
それぞれの特徴・機能性について詳しく見ていきましょう。
防水性能について
雨水などがかからないように、シート・生地を通過することがない100%の防水性をもったシート素材を選ぶのは基本ですが、防水処理だけでなく「吸水防止」も注目したいポイントです。
フッ素加工が施された吸水防止生地は、生地そのものが水分を吸ってしまうのを防いだり、水滴の付着を低減したりする効果があります。
ビニールカバーのような加工品の場合、縫製でできるミシン目や、そのほかの特注加工・オプション加工などによって、完全防水とならないケースもあります。防水性能を高めるためには溶着加工などで対応することで縫い目からの雨水の侵入を防ぐ場合もあります。
防汚性能・フッ素加工について
汚れやすい生地だとメンテナンスが大変で、生地も劣化しやすくなります。防汚処理を施したシートを使用して汚れが付着しにくいビニールカバーにすることで、風雨に晒される屋外でも長く利用することが可能になります。
フッ素系防汚処理
テントシート・ビニールシートにもっとも一般的に使用されている防汚処理が、「フッ素系防汚処理」です。ポリフッ化ビニール(PVF)をアクリルと混ぜ合わせて表面に塗布しコーティングすることで、汚れが表面についても落ちやすくなります。
ビニールカバー自体に汚れが残りにくくなるのが特徴です。
PVDF防汚処理
ポリフッ化ビニールよりもフッ素の含有量が多いポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用することで、より防汚処理能力と耐候性を向上させた表面処理が「PVDF防汚処理」です。
紫外線での劣化も妨げるため屋外での利用にも適していますが、フッ素の層が厚いため生地が硬くなってしまい、ビニールカバーとしての用途では扱いにくくなるデメリットもあります。
PVDF系防汚処理
「PVDF系防汚処理」は、「PVDF防汚処理」で使用されているポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、アクリル樹脂を混ぜた防汚処理です。
PVDFの高い防汚処理能力を維持し、かつフッ素の層が厚く硬くなってしまうデメリットを改善した表面処理で、次世代の防汚処理として注目されています。
屋外でも使用できる防水ビニールカバーの使用用途
屋外でビニールカバーが必要になる場面はさまざまです。
住宅では、お庭やウッドデッキに置かれたソファやガーデンチェアといった家具を未使用時に保護するために雨よけ・日よけ効果の高いビニールカバーを装着したり、用具入れなどのラックカバーとしての用途が多く見られます。
珍しい事例で、ベランダに植物のプランターを置き、シェルフをビニールカバーで覆うことで簡易的な温室とし、温度管理の用途で利用されたケースもあります。
業務利用では、大型発電機や製造機などの機械カバーやパレットカバーとして、さらに屋外を移動する台車やカゴ車を保護する目的で防水ビニールカバーがよく使用されています。
そのほかにも、保育園のお散歩用カートやゴルフカートといった乗り物を屋外に停めておく際にも、ビニールカバーをかけ、雨・風を凌ぐことができます。
防水ビニールカバーのおもな用途
- 棚カバー(シェルフカバー、ラックカバー)
- 機械カバー
- パレットカバー
- 資材カバー
- 台車カバー
- カゴ車カバー
- 保冷カバー
特殊な例では、あえてメッシュシートを利用し通気性を確保したビニールカバーにすることにより、たとえばエアコンの室外機のように排気を必要とする機械などを、カバーを装着したまま運転するという使い方も可能になります。
使用用途によっては耐久性も重要です。ビニールカバーの耐久性には生地の厚みが関係しています。ビニールカバーの耐久性や生地の選び方について、詳しくは「ビニールカバーの利用用途」をご覧ください。
屋外でも使用できる防水ビニールカバーの素材について
防水ビニールカバーに最適な素材
防水ビニールカバーとして使用するのに必須の防水性をもった素材の例と、その特徴を一覧にしました。
素材 | 生地名 | 遮光性 | 防水性 | 耐久性 | 耐候性 | 柔軟性 |
---|---|---|---|---|---|---|
透明ビニール | 糸入り透明ビニール | △ | ○ | △ | ◎ | ◎ |
透明ビニール(クリア) | × | × | △ | ○ | ◎ | |
半透明ビニール | シェルパクリア | △ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
ルミナカット | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | |
不燃生地 | 不燃ターポリン | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
デザインテント | シェルパジュニア | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
フラット帆布 | ウルトラマックス | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
バリアス | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | |
ハリケーン | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | |
エステル帆布 | エステル帆布6号 | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
ターポリンのメリットは安価な点にありますが、ウルトラマックスやバリアスなどのテント生地、フラット帆布のほうが、いずれも耐久性にすぐれています。不燃素材の使用が義務付けられている施設などにおいては不燃ターポリンを使用してください。
透明ビニールは柔軟性が高く扱いやすい反面、防水性や耐久性が低いため、屋内のラックカバーなどには適していますが屋外では使用できません。
屋外での使用、かつ中身が見える視認性が必要な場合に限り、比較的耐久性のある糸入り透明ビニールを使用すると良いでしょう。
ターポリン1類などの安価で軽量なターポリン、シャガールやテトロンといったデザインテントは、耐候性があるためテント屋根として活躍していますが、日々着脱をするようなカバーとして使用するには耐久性が低く不向きな生地です。
ストライク、不燃のFG8なども耐候性がないため屋外には不向きです。
防炎素材の防水ビニールカバーで業務利用にも安心
防水ビニールカバーとして使用できるビニールシートには、防炎素材や不燃素材のものがあります。工場や厨房など、火元のある場所でビニールカバーを使用する際には防炎素材や不燃素材のシートを選ぶと安心です。
防炎素材と不燃素材の違いについて詳しくは「ビニールカーテンの防炎と不燃の違いについて」をご覧ください。
優れた耐候性で屋外にも強いビニールカバー向けシート
屋外でビニールカバーを利用する場合、雨除けのための防水性能のほか、日差しに強い耐候性も重要になってきます。
耐候性の低い生地は日光に晒されて劣化しやすいため、注意が必要です。
屋外で利用できる生地の例
エステル帆布はおもにトラックシートなどに広く利用されている帆布生地ですが、耐久性は低いためテント屋根などには使用できません。
そのかわり扱いやすく汎用性が高い生地のため、ビニールカバーや資材カバー、収納袋として加工されています。
透明ビニールシートや糸入り透明ビニールシートは、生地自体に劣化しにくい耐候性があっても、日よけにはなりません。そのため保護する物の日焼けを気にする場合にはカラー生地がおすすめです。
また、透明ビニールシートは屋外での使用には適していませんので、屋内のラックカバーなどで利用するに留め、屋外で使用するビニールカバーには、より耐久性の高い糸入り透明ビニールシートを使用しましょう。
屋外での防水ビニールカバーの利用例
実際に屋外で使用されている防水ビニールカバーの事例をご紹介します。
資材カバー
大型サイズの資材カバーを、糸入り透明ビニールで製作した事例です。
中身が見える厚手のシートですが、UVカット機能もあり屋外で保管する資材のカバーとして適しています。
ラックカバー
園芸用品などの収納ラックカバーを、バリアスで製作した事例です。
開閉する面を大きめにつくってかぶせ、三角ピケットを取り付けてロープで固定することにより、雨や風の吹き込みを防止する造りになっています。
機械カバー
屋外に設置する大型発電機用の機械カバーを、ウルトラマックスで製作した事例です。
前面パネル部分をファスナー加工で開閉できるようにしたり、排気部分の開口を加工したりすることで、カバーを着けたまま運転できるようになっています。
この他にもさまざまな事例がありますのでぜひ参考にしてください。
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