ブルーシートの規格(番手・サイズ)と選び方
【プロ担当の専門情報】ご購入前に知っておいていただきたい、ブルーシート豆知識を多数掲載しています。
ブルーシートは、手ごろな値段で買える規格サイズのものから、業務で使える丈夫で大きなサイズのものまで様々な種類があります。使う場所によって、ぴったりのシートを選ぶにはどうすれば良いでしょうか。
この記事では、ブルーシートの素材や規格と合わせて、選び方について紹介します。
- この豆知識の目次
- ブルーシートとビニールシートの素材・材質の違い
- ブルーシートの番手とは?
- ブルーシートの規格サイズ
- ブルーシートの選び方
- ブルーシートの耐久性で選ぶ
- ブルーシートの耐候性で選ぶ
- ブルーシートの厚みで選ぶ
- ブルーシートのサイズで選ぶ
- ブルーシートの機能性で選ぶ
- ブルーシートのカラーで選ぶ
- まとめ
ブルーシートとビニールシートの素材・材質の違い
そもそもブルーシートはどのような素材のシートでしょうか。
ブルーシートの素材は合成樹脂の「ポリエチレン(PE)」です。ポリエチレンはプラスチックの一種で、スーパーのレジ袋やマヨネーズの容器、ホースなど身近な様々な製品に使われている素材です。レジ袋はビニール袋とも呼ばれることもあり、ポリエチレン製の製品がビニールと混同されることがあります。しかし、ビニールは「塩化ビニル(PVC)」素材のものを指しますので、全くの別物です。
ブルーシートは、ポリエチレンの粉を溶かしてフィルム状にしたものを伸ばして糸を作り、その糸を織り青色にコーティングをしています。糸を織ってシートを作っていますので、ビニールシートとは製造方法が異なります。更に、ブルーシートは同じ厚さのビニールシートよりも軽いといった特徴がありますので、軽いシートが必要な場合はブルーシートがおすすめです。
ブルーシートの番手とは?
ブルーシートの番手とは、シートの重さを表す「#1000」のように表記された番号のことです。ブルーシートのサイズの基準となる2間×3間(3.6m×5.4m)の場合の質量(重さ)を表しています。
#1000、#2000といった値で表記されていて、数字が低いほど薄くて軽く、数字が高いほど厚くて重いブルーシートということになります。
3.6m×5.4m のサイズで#3000と書かれている製品は約3kg(3000g)です。同じサイズでも、#3000より#4000の方が重くなりますが、厚みがあるので、頑丈で破れにくい素材が必要な場合は、数字の高い番手のブルーシートがオススメです。
ブルーシートの規格サイズ
規格サイズのブルーシートは、3.6m、5.4mといった長さの製品がほとんどです。なぜ1mや2mといった切りのいい数字ではないのでしょうか?
ブルーシートは、当初家屋の建設で多く使われていました。古くから日本で使われている「尺貫法」に合わせて製造されていたので、「1間=約1.8m」がサイズの基準になっています。そのため、「3.6m×5.4m」や「5.4m×5.4m」といったサイズで今でも販売されています。
ブルーシートの選び方
ブルーシートを選ぶとき、何を基準に選べばいいのでしょうか。必要なサイズによって選ぶ以外にも、耐久性や機能性など、ブルーシートを選ぶポイントはたくさんありますので、順番に紹介します。
ブルーシートの耐久性で選ぶ
ブルーシートを使用していて、割けたり破れてしまったりしたことがあるという方は、引裂強度・引張強度に注目してください。
引裂強度は、ブルーシートを引き裂くのに必要な力を測定し、引張強度はブルーシートを引っ張るのに必要な力を測定しています。引裂強度・引張強度の数値が高いシートなら、頑丈で破れにくいので耐久性の高いブルーシートが欲しい場合は、この数値を見て選んでください。
ブルーシートの耐候性で選ぶ
ブルーシートを外で使っていて、表面がひび割れしてボロボロになってしまった場合、「耐候性」が低いシートを選んでいる可能性があります。
耐候性は、太陽光などの紫外線による劣化に対する耐久性能のことです。耐候性の低いブルーシートは1年未満で劣化してしまうものもありますが、種類によっては、耐候年数が1年~5年と長期使用可能なブルーシートがあります。屋外で建築・工事の養生で資材を野積みする等、長期間使用する場合には、期間に合わせてブルーシートをお選びください。
耐候年数
耐候性の高いブルーシート規格サイズ品一覧
ターピー1年シート | CSR2年シート |
---|---|
UVブルーシート | ターピー3年シート |
ターピー5年シート | |
ブルーシートの厚みで選ぶ
ブルーシートは薄手のものから厚手のものまで幅広い製品があります。ブルーシートは番手の数字が低いほど薄く、高いほど厚みがあります。一般的に広く使用されているブルーシートは#3000ターピーシートで、厚さは0.25mmです。
外で長期間使う場合や、使用頻度が多い場合は、耐候性が高く厚みのあるエコサーティシートUV#4000やエコサーティシートUV#5000など厚手のブルーシートがおすすめです。一時的に使う場合や使い捨てする場合は、国産薄物ブルーシート Jシート #1500など薄手のブルーシートをお選びください。
ブルーシートのサイズで選ぶ
規格サイズ品のブルーシートは、1.8m単位で様々なサイズがあります。小さなものは「1.8m×1.8m」、代表的なサイズ「3.6m×5.4m」をはじめ、「5.4m×5.4m」などがあり、種類によっては「20m×20m」といった大きなサイズもあります。
しかし、規格サイズにすると必要以上に大きなサイズになってしまう、長さが足りないといったこともありますので、そのような場合はオーダーメイドでの製作がおすすめです。グラウンドやコート、野球場などの雨天時といった、幅が広く大きなブルーシートが必要な場合や、使用する場所にぴったりのサイズが欲しい場合は、オーダーメイドでご注文ください。
ブルーシートの機能性で選ぶ
ブルーシートはポリエチレン製のため、火に弱いのが難点ですが、防炎機能を備えたものがあります。
通常のブルーシートは火元を当てるとすぐに燃えてしまいますが、防炎ブルーシートは自己消化性があるので、燃え広がりにくいといった特徴があります。特に、倉庫や工場など、業務用として使用する場合、消防法により防炎物品の使用が義務付けられていますので、防炎機能のあるブルーシートを使用してください。
ブルーシート燃焼実験
ブルーシートのカラーで選ぶ
ブルーシートと聞くと青色しかカラーバリエーションがないと思う人も多いかもしれませんが、半透明や白、黒、緑、グレーといったカラーバリエーションがあります。そもそも、なぜこのシートが「ブルーシートと呼ばれるようになったのでしょうか?
実は、ブルーシートは元々オレンジ色でした。これは大手運送会社のトラックの荷台にかけるシートの色を会社のイメージカラーに合わせたのが始まりです。
公害対策基本法が制定されたタイミングで、公害の原因となる微量の「黄鉛」含まれるオレンジ色の顔料ではなく、耐候性に優れ、有害物質が含まれない等といった理由から、青色の顔料が選ばれ、「ブルーシート」が一般的になりました。
このような理由で青色のシートが普及していますが、シートの種類によっては複数のカラーバリエーションがあります。設置場所に合ったカラーのブルーシートをお選びください。
まとめ
ブルーシートひとつとっても、番手や規格サイズ、厚みやカラーバリエーションなど、様々な違いがあることを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
規格サイズ品にするか、クロス(原反)やオーダーメイドにするか、といった選択肢もありますので、選び方を参考に、用途や目的に合ったブルーシートをお選びください。